東京にいる銀行員の友達が酔っ払って電話かけてきた。
東京には、二人の友達が居て、大学時代一番仲良くしてくれていた友達だ。もう一人はそのまま福岡に居る。4人で(正確には1個下の学年の男の子も混ざって、5人でつるんでたんだけれど)、ずっと一緒にいた。何も考えなくて過ごしていた日々が懐かしい。
そう、銀行員の友達が酔っ払って、あいたいーと言ってきた。そんなキャラじゃないから、どうしたんだ、酔いが酷いぞ、と言えば、あいたいからアイタイって言ってるんだよと、またもや呂律の回らぬ口で言う。かわいい子やなと笑いながら、いつでもあえるよと言えば、じゃあ、10月の三連休に会おう!と言い出してきた。どこで。九州で、福岡に帰るから、その時会おう。そんな夢みたいな話…絶対お前酔いが覚めたら忘れとるやろ!と突っ込むが、キャラじゃないことを言ってくる彼女をかわいいアイシテルとさえ思うほどに、今私はさみしいって話ですよ、オチは。

誰かと会う約束ばかりしている。まだ実現していない。約束することで、未来に思考を移そうとしている。現実から離れた時を思う。

分かってる。寂しさを紛らわしてくれるのは、彼じゃない。頭に浮かぶのは、彼じゃなくって、と泣きそうになりながら、私は現実を見る。私じゃない人と笑ってる、あのひとなのに。