あの日から、二週間息をつく暇もなく怒涛のように過ぎていきました。気がつけば、昼食の時間だし、気がつけば、終業の時間(でも、残業だけど)。


仕事
日々日々対応に追われます。何が生産できるか/できないか。供給責任だといわれて、罵声投げかけられて、でも、でも、投げ出すわけには行かないから、苦しくて溺れてしまいそうになりながら、対応に追われます。関西はお客さんが生産余力があるので材料を、と必死になっていらっしゃるのは、分かる。分かるんだけど…。そして、化学製品は反応ものが多いから、計画停電があるとまったく生産できません。20時間、30時間の連続反応なんてザラです。酷いものは、3,4日反応釜に投入して温度調整して重合します。計画停電という計画がある為に、生産できないものも多いです。そうすることによって、何気ない生活品の供給が出来なくなります。身の回りのたくさんの気付かない製品が、なくなります。今は在庫を消費する日々です。
そういう恐怖を持って、仕事に追われています。供給責任、分かってるんだけど、たくさんのお客様の要望にこたえたいんだけれど、労働者の体は一つで生産設備には限りがある。もちろん、原料にも。

こころ
仕事の関係で東北の工場状況など、沢山見てるけれど、本当に大変な状況だっていうのが分かります。社員の一人が津波に流されつつも、なんとか生き残ったこと。得意先の多くが被災されたこと。工場の大半の従業員が流されて連絡つかないこと、など、多く聞くたびに、目の前に情景が浮かんで涙が出そうになります。それはずっと頭にちらついて、ちょっと落ち着けない気分です。いつでも泣きそうになっていて張り詰めてる感じ。何も情報を手に入れたくない、心を乱さないで欲しい、と思いつつもそういう環境じゃないし…。
苦しい、誰かと一緒にいたい。でも仕事で関わる人と誰とも居たくなくて、目を合わせない、喋らないを貫いています。基本的に社内に居ないと現在は対応できないので、皆社内に居て対応してる。一緒にいたくないから、誰もが帰宅して独りになってから初めて仕事できる。とても残業が多いです。地震の翌日に、彼と一緒に居られて本当に良かったです。あれのお陰でどれだけ落ち着けたか分かりません。でも、今でも彼の声が聞きたい。不安です。怖い。

あの日から、何となく、自分が普通じゃなくなってる気がする。