カメラ

先々週でしたか…
彼と共に三重の赤目四十八滝まで紅葉を見に行った折に、やってしまいました。
その日はお昼過ぎから、猛烈に体調が悪くなっており、寒気、吐き気を催しつつも、まだ歩けたのでずいずいと滝沿いを、川の水際まで寄ったりしながら進んでおりました(その日は、数時間後に分かったのですが、ウイルス性胃炎になっていたようです)。折角私が、1時間半+1時間かけて運転してきた三重の滝を、最後まで見たらないかん、と強い心で挑んでいたのですが、愈々疲れも酷く、スタートから30分経過した辺りのことです。
ちょいと休憩と、寄った、水際で、手をつけようと一人漫然と水へ手を伸ばした時のことでした。
ポケットから少し顔を出していたカメラがバランスを崩し落下していくではありませんか!京都の伊藤組紐商店で購入した薄桃のストラップが尾ひれのようにゆらゆらと揺れて、スローモーションのように落っこちていくリコーCX2が…視界の端に移りました。そして、落ち行く先は、真っ赤に染まった紅葉が溜まった、水の窪みでした…
彼の叫び声と、私の行き場を失った手だけが残り、私は落ちたカメラを拾う気力さえなくしてしまいました。彼が拾ってくれたリコーさんは、項垂れたように見えました。失意のまま死にいくリコーさん…、あなたにはまだやって貰うことがあったのに…
そして、体調も最高潮に悪くなり、まさかの1/3でリタイア宣言してしまいました。

彼が私の手元に来たのは、2010年2月のことでした。父に誕生日プレゼントとして買ってもらったのです。2009年年末頃から待望していたリコーさん。正月に父に打ち明ければ、誕生日にね、と言ってくれたのでした。まさかそんな最期になるとは誰が予想していたでしょう。しかし今思えば、彼は、私の手元に来た瞬間から何かそういった最期を予期したようなハプニング的な状況に陥っていたのです。神戸・北野で初披露され、異人館辺りを彼と歩いている時のこと、手元の不安定な私は、思うがままに歩いていると、段差につまずき、ポケットに入れていた裸のリコーさんを落としてしまったのです。こいつは、何かあると悟りました。その前の、IXYくんは、5年くらい使ったので、手元がおろそかになっていた点は否めません。その時から、彼の運命が狂い始めました(多分中のシステムも)。夏ごろには、突然動かなくなる・画面が黒くなるなどの症状を出し、オート以外の機能が使用できなくなりました。そして、秋…
なんということでしょう…。うんともすんとも、ウイイイインともジジジジジとも言わなくなってしまったのです。


でも、来週の神戸ルミナリエを、私は、カメラにおさめたい。そういう思いで、決断しました。リコーCX4を買おうと…カメラの下取り出して、26000円で買うことにしました。パパに内緒です…ごめんねパパ…でも、今このボーナスの時期に買うしかないんだ…