同じ時間

大学から帰る、暗い道を、1人で歩いていると、木枯らしが吹いて、冬だなぁと感慨深くため息をつきました。冬が来れば、春が来る。それは自明のことなので、今更嘆きはしませんが、もうちょっと待って、と言いたくなります。大学を卒業する季節が、近づいてきています。まだ勉強したりない。そう思って、このままでいいのかなぁとブルーな気持ちをちょっとだけ抱いて。
そういえば、私は彼と同じキャンパスに通ったことがない、並んで大学までの道を歩いたこともなく、学食でだらだら話したこともなく、図書館で一緒に勉強したこともない。同じ大学なのに、そういう思い出が無いなんて楽しくないなぁ、寂しいなぁと思って、とっても彼に会いたくなりました。
でも、1年の時は、同じキャンパスだったから、見知らぬ顔した彼とすれ違ったかもしれない。つまらなそうに唇を尖らせて皮肉ばっかり呟いたメガネの私と、バイト漬けで疲れ果てたような顔をしたメガネの彼が、自転車で溢れかえったキャンパスを、同じ時間に歩いたかもしれない。そう想像すれば、なんとなく、くすぐったいような、嬉しいような感情で溢れてしまいました。
出会って、まだ1年も経ってないんだなぁ…感慨深いです。