かんさい

毎日多分仕事(以外の付き合い)での疲れがたまっていたのかもしれないけれど、先週夜遅くに帰るとき決まって道すがら、さみしくて、一人を心細く思って誰も居ない部屋に帰るのかと思って、涙が溢れて止まらなくなりそうだった。
金曜日、私が関西に帰る新幹線の中で彼と落ち合い、二人して関西の家に帰った時はとても安心してここが、彼のいる、この家が、私の家なのだと思えた。土曜日になって次の日には彼は名古屋へ帰っていき、また一人に戻るのだと思うと急に一人ぼっちを感じてしまった。二人で京都を出ると、大阪へ帰る電車の中、彼は疲れて寝てしまい、私は孤独だった。
彼は仕事上での不安を抱えているらしく、ほぼ聞き役に徹してしまう私は自分の悩みを胸の底へ押しやって、大変だねと慰める。つらいねと声をかける度に、(私もそうなの)、と言いたくなって、涙が溢れて止まらないの、と泣いてしまいたかった。
そして今日、日曜日、朝は上機嫌だった私が、彼がパソコンに向かって何かしている姿を見ていると急に、また、帰っていくんだ、ここではないどこかへ、と思いが去来して、全ての言動の裏を読んでしまいそうになった。名古屋が苦手らしい彼は、次の勤務地は東京がいいとムシンケイに言って、私から離れていくのね、と思っちゃうし…本当にそのネガティブさに吐き気がするほど、もう全然ダメだった。何かを言おうとするとすぐに涙がたまって、梅田のど真ん中で、泣くわけにはいかないと必死にこらえてしまった。

その間考えていたことは、この人さえいなくなってしまえば、寂しさの濃度は薄まって、もっと楽になれるのにということ。もちろん安らぎはないけれど、泣く寂しさに比べればどうってことないものだから。この人さえ、いなければ……そう思っても、一緒に居たのは今日別れを切り出そうと思ったとき、手を握られて目を見つめてくるから別れられなかっただけ…。

家に帰ってつらくて、彼の能天気な、でも好きだという言葉の散りばめられたメールをみたときに、このつらい思いを吐き出してみようと思った。

失敗した。さみしさが増えていっただけだった。

電話するからって言葉が欲しいんじゃない。電話なんていらない。
ただ同じ部屋にいてほしい、帰ってきたら抱きしめてほしい。姿を見せて、私も抱きしめさせて。それだけを望んでいる。

かなしい。
次に会えるときはもっと強くなっているだろうか。私は会う度どんどん弱くなっていってる気がする。
そして彼の変わっていく言動に、そして嫌だなと思う方向に染まっていってるから、気持ち悪さが増していく。そう。彼が変わっていく姿も私にとってみればつらくて仕方がない。
変化、がこわい。怖くないのかなあ…彼は。私はこわいよ。人が変わっていくことが、こわいよ。
私たちはもっと深い部分で話し合わなければならないのだ、と強く思った。